いまやっと、四分の一こえたあたりです。
なんどかいても、やっぱり小説って難しいですね。言葉がうまくでてこない~。
更新がないのもあれなので、書きかけのきみとぼくはのお話を抜粋します。
冬の話なのに、なぜかタイトルが初夏になってたのが謎~!
数馬が白い息を吐きながら待ち合わせ場所につくと、作兵衛が一人でたっていた。柔らかなオレンジの毛糸で編まれたマフラーを口元まで引き上げて、数馬は首を傾げる。
「あれ? みんなはいないの?」
「みんな? あれ、おれ誘ったとき、あいつらも一緒だって言ったっけか?」
作兵衛も首を傾げた。その頬と鼻は真っ赤で、今日の寒さを物語っている。もっと早くくればよかったと数馬は呆れた。遅刻はしていない。いったい作兵衛はどれだけ早く着いたんだと文句を言いたいくらいだ。 でもそれよりも、みんなと一緒でないならなんで出かけようと言ったのだろうという謎が数馬の頭を甘く占めていく。数馬は期待しそうになってすぐさまそれを否定した。簡単に期待してはいけないと、前の世で学んでいる。
「・・・・・・言ってなかったかも。思いこんでた」
作兵衛は少し狼狽えたように、視線をさまよわせた。言いづらそうに口を開くけれど、数馬に視線を合わせない。
「おれと、っふたりで映画、てさ、」
「・・・・・・うれしいよ」
数馬は素直に答えると、はにかんだ。
出会ってすぐの小学生の時は、前の世と同じ感情を抱くのが少し怖かった。今の三反田数馬を無視してしまうような、なくしてしまうような、そんな気がして、数馬は、自分が抱く気持ちにどう向き合えばいいのかわからず、作兵衛との距離が上手にとれなかったけれど、今の数馬が作兵衛に思いを寄せても、それが昔の記憶に引きずられてるのではないと、最近ようやく実感を持ってわかったのだ。
幼い頭で一生懸命考えてみれば、まっすぐ向き合いたい、気持ちだった。
数馬は伝わるように、伝わることをおそれないように、勇気を出して素直に笑う。
すると、作兵衛は急に顔を数馬に向けて、ひどくうれしそうな笑顔を見せた。
「そっか。へへ、だったらいいや」
途端に上機嫌に歩きだした作兵衛の背中を追って、数馬は苦笑する。
(これで、ぼくのこと友達としてしか見ていないなんて、誰が信じるんだろう)
けれど事実そうなのだ。作兵衛は好ましく思った相手に、気を許しすぎなきらいがある。それに振り回されてしまえば疲れるだけだと数馬は身に染みて知っているから、一つ首を横に振り、浮かれてしまいそうな気持ちに区切りをつける。頬を切るようなしんと冷えた空気に一つふるえて、作兵衛の隣に並んだ。
作兵衛は尚もうれしそうに、横を歩きだした数馬に話し出したかと思えば、ふと不思議そうな顔をしてから小さく吹き出す。
「髪、花びらついてるぞ。どこ歩いてきたんだよ」
「え?」
作兵衛が自分の髪に触れて場所を示してくれるから、それを目印にして数馬は自分の髪を探った。しかし丸い指先はくるくるとした髪を掴むばかりで、まるで花びらに触れない。
作兵衛がまた笑ったかと思うと、腕が伸びて数馬の髪に触れた。
その手に、数馬は驚いて目を丸くする。心臓が一瞬動きを止めたかと思った。それなのに、作兵衛はまだ楽しげに笑んでいて、数馬の目の前にその花びらを降らせた。
赤い花は、数馬の家の近くに咲いているもので、そこからつけてきてしまったのかと思えば恥ずかしくなる。
数馬は作兵衛に触れられた箇所を指でなぞって、赤くなる頬を隠すように顔を伏せた。こんなことで、心臓がうるさく鳴りたてる。
「ぜ、ぜんぜん、気づかなかった。ありがとう・・・・・・」
「花びらとったくれえで言われることじゃねえよ」
数馬の礼にきょとんとしてから、作兵衛はまた笑みをこぼす。
