第三者の視点
*数馬のお母さん(捏造)視点です。*
「数馬、でかけるの?」
「うん、いつものメンバーで遊んでくるよ。」
いつものメンバーって事は、藤内くんと、春に知り合った作兵衛くん三之助くん左門くんに孫兵くんか。
名前を思い浮かべると、何とも不思議な気分になる。
数馬は小さい頃、出会ってもないこの5人の名前をよく口にしていた。 あの頃は、前世の記憶かと思ってたけどこうなってくると予知だったのかもしれない。
薬草の名前もよく口にしていたからそのうち薬剤師にでもなるのかも、なんて。
あれこれ思っていると、インターホンが鳴らされた。
多分、藤内くんか作兵衛くん。
「あ、藤内、今行くー。」
数馬が受け応える声が聞こえて、やっぱりね、と嬉しくなる。
「数馬、行ってらっしゃい。 気をつけてね。」
「うん、行ってきます。」
ぱたぱたと嬉しげに出かける娘を見送って、くすりと笑う。
前はよく藤内くんとの仲を冷やかしては、違う、と苦笑で返されていたけれど、確かに違ったみたいだ。
最近の数馬の様子を見れば、一目瞭然だ。
「数馬も、わかりやすい子よね。」
ふふ、とひとりごちる。
「でも作兵衛くん程じゃないけど。」
この間、『いつものメンバー』でうちで集まっていた時に、私はたまたま早く帰ってきてそれぞれの顔を見た。
ちょうど数馬が躓いて、持っていたお菓子をばらまいた時だった。
作兵衛くんは、謝る数馬に何とも優しく頭を撫でて、大丈夫だ、と言ったのだ。
その後で私に気付いて、赤い顔で数馬から飛び退ってから裏返る声で挨拶してくれた。
母としては娘がもてるのは嬉しい。
二人ともまだ小学生なんだから、色恋なんてのはゆっくり育めばいい。
まだまだ不確かで、しっかりした形になるのにも、時間がいるだろう。
ふと、時計を見上げる。
これから藤内くんのママと、作兵衛くん三之助くん左門くんに孫兵くんのママたちとで、お茶会だ。
出かける準備をしながら、不思議な縁よねえ、と改めて思う。
6人の子供が6人とも、出会う前から出会う事がわかっていたようで。
前世なのか予知なのかはわからないけれど、運命なんてものがあれば、全くそれらしいと思うのだった。
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